団塊たちのソウル
2009.4.5−記
第1日目 金浦空港まで ソウル、第1食目
第2日目 お巡りさんと青瓦台 老人公園、宋廟、焼き肉
第3日目 南大門市場から韓屋マウルへ 民家と高層アパート
第4日目 犬の肉を食べにいく 雨中居のトップに戻る


第4日目   犬の肉を食べにいく  


 いよいよ最終日。
11時の昼食までは自由行動である。
ボクはAさんと、東大門まで行く。
東大門市場に行きたいのではなく、そこまでの街に興味があるのだ。
老人たちのタプコル公園をすぎ、南のほうへ進路をとる。
清渓川路を越えたあたりで、東向きに細い路地にはいる。
衛視陶器や設備関係の店が建ちならんでいる。
上野周辺の感じだろうか。

歩道での囲碁
リニューアル前
リニューアル後
 広い通りにでる。
なんと歩道で囲碁をやっている。
今回の旅行で、はじめての対面だった。
おもわず写真を撮らせてもらう。
しばらく歩くと、金寿根の建てたアパートが、リニューアルされていた。
道路を隔てて両側に、まったく同じ建物が新旧の顔を見せる。
上の写真はまだリニューアルされていないが、下の写真はリニューアルされている。
奥行きの長い長い建物だが、その断面が道路に露出している。

 我が国では、日比谷のあったビルがリニューアルされたが、たちまちホテルへと建て替えられてしまった。
古い建物の再利用は、なかなか難しい。
今後韓国も、近代建築の建て替え期にはいるだろう。
どんな再利用がすすむのだろうか。
地震のない韓国だから、我が国より少しは有利だろうか。

 東大門方向へいく。
細い道を選んで、ずんずんと歩く。
ロシア語の看板がふえてきた。
東大門到着。
地面店街だった東大門市場は、いまでは高層ビルの中に入っている。
南大門市場のようでは、防災上の問題があるから、再開発が進んでいるのだろう。
近くでは高層ビルが建築中だった。

 11時にホテルに戻り、有志4名+Aさんで犬を食べに行く。
もうソウルの郊外に行かないと、犬は食べられなくなったとか。
はじめてタクシーに乗ることになったのだが、4人乗りのタクシーに5人で乗り込む。

 光化門をすぎて、タクシーは走る。
1万ウォンだっただったから、ずいぶんと走った。
Aさんが運転手さんに、帰りも乗るから、食事後に店に来てくれと頼む。
それだけなら一寸の驚きだが、ホテルから金浦飛行場まで、6人乗りで行くように交渉した。
運転手さんも平気でそれに応じている。どっと驚く。

 郊外といっても、街並みは続いている。
やがて、店に到着。
時間が早いせいか、店には客はいない。
大広間のようなところに、座卓が10台くらい並んでいた。
毎度のお通しがでてくる。

またもやソウル・マッコリの外注である。
店の人は嫌な顔もせずに、外へと買いにいってくれる。
やがて、鍋が運ばれてきた。

犬肉の鍋
 平べったい鍋の中央には、犬の肉が並べられ、その廻りにはニラやゴマの葉がならんでいる。
やや深いお皿に、4種類の薬味をとり、よくかき混ぜる。
韓国料理は、とにかくよくかき混ぜるのだ。
ペースト状のタレをつくって、これに肉をつけて食べる。

 犬肉は、やや歯ごたえのあるササミのよう。
下ごしらえがしてあるのだろう。
柔らかい。
皆、神妙な顔をして、肉を飲み込んでいる。
これが韓国最後の食事である。
それに、犬の肉であることも手伝って、心して食べているようだ。
ボクは犬の肉が2度目とはいえ、以前に食べた味覚など覚えていない。
感慨を新たにしながら、犬の肉を口へ運ぶ。

 ベトナムでも街道筋には、犬の看板がたくさん出ているし、犬はアジアのどこでも食べられている。
鯨を食べる日本人が、犬を食べる人たちを気味悪がることはできないだろう。
そうは言っても、韓国でも犬食はなれが進み、犬肉の養殖がへっているとか。
近代化というのは、人の味覚まで変えてしまうのだ。
 
 YMCAホテルに戻ると、韓国人の友人が来ていた。
話をしたかったが、飛行機の時間がせまっており、挨拶もそこそこにタクシーに乗り込む。
Aさんにお礼をいうが、いとも簡単な別れになってしまった。
Aさんとは日本でまた飲もう。

 荷物を満載し、後ろに4人、前に2人のせたタクシーは、金浦空港へと快調にはしる。
途中でお巡りさんに止められるのではないかと、ヒヤヒヤしていたが、無事に飛行場に到着した。
WBC決勝戦が日韓の戦いになっており、金浦空港では全員がテレビの前に釘付け。
職員たちも、お客そっちのけで、テレビにしがみついている。

 韓国が優勢だと、大きな歓声が上がる。
日本人は肩が狭い。
しかし、日本が勝って、やれやれである。
飛行機の時間まで、空港をぶらぶらする。
今回のボクの滞在費は、3泊のホテル代と食費、お土産などすべて含んで、計25、000円だった。
改めて、Aさんに感謝である。
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