奈良に遊ぶ  
2007.9.10−記
伊賀まで 伊賀から室生寺へ 室生寺にて
法隆寺の中庭 法隆寺から西の京へ 新薬師寺から白毫寺へ


第1日目   伊賀まで  

 7月23日の午後1時頃、仕事を切り上げて車にのる。
旅にでるのは、何年ぶりだろうか。
ほんとうに久しぶりだ。
奈良へ3泊4日の旅にでた。


 貧乏になったことが、旅から遠ざかっていた、まず第一の理由である。
そして1年前に脳梗塞をやった。
お金がないことに加えて、身体に自信がないので、旅にでる勇気がなかった。

 アジアの田舎で、脳梗塞が再発したらと考えると、外国への貧乏旅行は、まだまだ自信がない。
ほんのちょっとお金ができたし、身体の回復をたしかめるためもあって、短い国内旅行にでたのだ。

 京都へいくなら電車だが、奈良は車のほうが便利だ。
ボクを乗せた車は、東名高速道路を順調に西へと走る。
名古屋の手前で東名高速道路からわかれ、伊勢湾 横断道路にはいる。
名古屋港の上を横断する吊り橋がカッコイイ。
はるか下にみえる海も雄大で、気持ちがいい。
つい、よそ見してしまう。

 伊勢湾横断道路から東名阪自動車道へ。
鈴鹿をへて、亀山へむかう。
亀山までが有料道路。
ここから山間部を走る国道25号線を奈良へ。
国道といいながら、 新たにできたバイパスらしく、自動車専用の道路である。
今まで走ってきた有料道路と、まったく変わらないくらいに快適。

 今までの高速道路との違いは、最高速度が60キロに制限されていることくらい。
でも、どの車も制限速度は守っていない。
80キロ超でとばしている。
全体に関西人のほうが、スピードをだすように感じる。

 翌日は室生寺へ行きたい。
第一日目は伊賀に泊まることにする。
伊賀SAが見えた。国道25号線を伊賀ICでおりる。

 しかし、そこには伊賀の町並みは見あたらなかった。
「伊賀はどこだ」
と聞いても、ここが伊賀だという。
伊賀の繁華街を聞いているのだが、さっぱり要領を得ない。

 伊賀は合併によって、広い市になり、中心部は伊賀上田と言うことがわかる。
それがわかるまでには、ずいぶんと時間がかかった。
結局、降りるインターを間違えたらしい。
夕暮れの田舎の町並みを、伊賀上野へと車を走らせる。

 繁華街に近づいてきた。
街を一巡りする。
街の形がつかめてきた。
ホテルもいくつかある。
とあるホテルの前で、電話番号をメモして、ケイタイで問い合わせる。
まだ夏休みになっていないし、平日なので空室がある。
いくつかビジネス・ホテルをまわって、白い立派なホテルに投宿。

 夕食に、とホテルからでる。
いつものように夜の町を探検。
忍者で有名な伊賀は、古い町だ。
松尾芭蕉が生まれた地でもあるらしい。
街の中心には、お城がある。
近鉄伊賀上野の駅、つまり本当の繁華街=旧市街は、丘の向こう側だった。

 旧市街にむかうが、田舎町は夜が早い。
まだ8時前だというのに、ほとんどの店がもうシャッターを下ろしている。
すでに暗くなった街を、あちらこちらへと歩き回る。
繁華街らしきところにきた。

 人通りの途絶えた商店街の両側に、ロウソクの火がほんのりと明るい。
お盆の迎え火だろうか、店や家の前に灯籠が置かれている。
ここは大都会とちがって、街が暗いのでロウソクの火がはえる。

 昔は蛍光灯の街灯などなかったろうから、覚束ないロウソクの火でも、もっともっと幻想的な風景をつくったことだろう。
商店街の遠くが先細りになって、暗 さのなかに消えている。
物の怪がでても、不思議ではない空気。
暗い通りにたって、しばらく灯籠を眺めていた。

 灯籠の明かりが、コンビニの蛍光灯にかなうはずがない。
小さな商店がつぶれたり、後継者がいなく閉店したりしたりして、こうした風景も、徐々に消滅していくのだろう。
暗さに、想像力が刺激されることもなくなっていく。

 定食屋らしき飲み屋さんが、まだ暖簾をだしている。
ここで夕食をとって、ホテルに戻る。
シャワーを浴びて、早々とベッドへ。
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