香港再々訪
2010.3.10−記
第1日目 香港まで ペニンスラでワインを
第2日目 トラムの香港島 旺角と女人街
第3日目 飲茶後、ビクトリアピークへ 骨董街から高級中華へ
第4日目 最終日 雨中居のトップに戻る


第1日目−2   ペニンスラでワインを  

 背広をつくりに行ったのは、ボク1人だけだ。
6時に集合の約束をして、その間、他の人たちは市内の散策をしていた。
なにせYMCAホテルの隣が、ペニンスラ・ホテルである。
1階のロビーで待ち合わせということにした。

 ペニンスラは確かに高級ホテルで、良い雰囲気である。
前にはロールス・ロイスが停まっているし、裕福そうな人が歩きまわっている。
ロビーでゆったりとアフタヌーティーをと、どのガイドブックにも書いてある。
そのため、日本人観光客が大挙して押し寄せる。
日本人たちは宿泊しないので、何となくロビーの空気を汚染しているようにも感じる。
しかし、夕方になると観光客の喧噪は消えて、良い雰囲気に戻っている。

 先に着いたボクは、ボーイさんにあとで4人が来るという。
奥の大きなテーブルへと案内してくれた。
ボクは赤ワインをたんのだ。
ワインの銘柄をい聞いてくる。
グラス・ワインで良いのだと言うが、ボーイさんは銘柄に拘る。
銘柄など知らないボクは、ボルドーという。
嬉しいことに、ボトルの封を切ってグラスに注いでくれた。
大きなワイン・グラスにたっぷりと注いでくれて、125香港ドル(約¥1、500−)である。
あと3人の婦人と、紳士が1人来ると伝えると、判ったと言って彼はさがった。

 ボーイさんはこちらの様子に注意を払っている。
ボクが手を挙げて、入り口に立った女性を招く仕草をすると、ボーイさんがすぐに彼女のところに近づいてくれた。
そして、彼女をボクのテーブルまで案内してくれたのだ。
目線だけでつうじる、何気ない仕草の自然なサービスである。
彼女も同じ赤ワインを頼む。
ほどなく全員集合して、ワインで乾杯。

 夕食の相談。
香港へ来たからには、食べることが最大の目的になる。
やっぱ、中華料理だろう。
一昨年来たときに、美味しかった店が近くなので、今夜はそこに行くことにした。
鴻星酒家というのだが、もう名前は忘れていた。
なんとか記憶を呼び戻しながら、鴻星酒家までたどり着いた。

 ネーザンロードから小さな通路にはいる。
通路から店の扉を入ると、床には大きな伊勢エビがいて、店の人が格闘していた。
入り口には右手に水槽があって、海老や魚が泳いでいるのを見ながら、階段を上がっていく。
前回、ここで飲茶や上海蟹を、食べた記憶がよみがえってきた。

 麻雀をやりたいというメンバーがいたので、麻雀のできるところを捜していたら、ここでも麻雀をやっているではないか。
値段を聞くと、3000香港ドルだという。
それはあまりに高いと根切り交渉するが、とても受け付ける雰囲気ではない。
仕方なしに食事だけすることにして、しぶしぶ円卓に座る。
麻雀をやるのは、結婚式パーティなどの余興のようで、食事だけでは受け付けないようだ。

 まず、お茶を運んでくる。
「ウーロン?」と聞くと、そうだという。
「ポーレイ」も欲しいというと、面倒くさそうな顔をしながらも、プーアール茶ももってきてくれた。
大きな葉っぱの上に魚の身が

 メニューをもってきてくれるのだが、もちろん中国語がわかるわけではないから、想像につぐ想像である。
片言の英語もつうじるウエイターさんがいるので、何とかかんとか注文する。
そして、ビールを頼む。
ボクとしては、隣のテーブルに運ばれていく、うす黄色のビールにしたかったのだけど、銘柄が判らずに挫折である。
(ブルーガールだと、あとで知る)
じゃ、やっぱり青島ビールということになった。
まずは、ビールで乾杯である。

 一番目は、スープ。
これは簡単に平らげた。
イシモチという魚の料理が売り物らしく、大きな葉っぱのあいだに、魚の身をはさんだ料理がでてきた。
衣のない天ぷらのような海老が美味しかった。
他にも美味しかったのだが、すでに1週間たっている。
残念ながら、もう食べた料理を忘れてしまった。

 でも、老酒は覚えている。
中華料理であれば、やっぱり老酒だろうと、老酒をたのむ。
すると、20年物の老酒をすすめる。
高いのかも知れないと思いながら、恐る恐る頼んでみた。
(やっぱり高かった)
アルコール分はそれほど強くないが、ややドロッとした感じで、とても濃い。
今回のメンバーは、お酒をよく飲むのが2人だったから、他のメンバーはあまりお酒には執着がないようだ。

 ワイワイ、ガヤガヤするなかで、食べ物が運ばれてくる。
これは美味いとか、なんだかんだと言いながら食べる。
全体に香港も近代化しているように感じる。
レストランも清潔になって、ちょっとした店では欠けたお皿など使っていない。
どこでも、むかしの習慣をじょじょになくしていく。
食器がとても清潔になったように感じる。

 帰りに気が付くと、入り口の水槽にいた海老たちが、すっかりいなくなっていた。
ボクたちのお腹のなかへ移動したに違いない。
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