香港再々訪
2010.3.10−記
第1日目 香港まで ペニンスラでワインを
第2日目 トラムの香港島 旺角と女人街
第3日目 飲茶後、ビクトリアピークへ 骨董街から高級中華へ
第4日目 最終日 雨中居のトップに戻る


第4日目−1   最終日  

 朝、また泳ぎに行く。
月曜日になったせいか、子供たちの姿は見えない。
ほとんどが中高年齢者だ。
子供は騒がしいものだが、昨日と雰囲気は変わらない。
全レーンを使って、皆ゆっくりと泳いでいる。

 帰りの飛行機は、午後3時25分である。
ホテルのチェック・アウト手続きをする。
そして、荷物をホテルに預ける。

 まずは朝食である。
2日目の朝にいったお粥の店に行って、今度は麺を頼む。
麺と言っても、いろいろあって、ボクはビーフンにする。
そして、ビールを頼む。
すると問答無用で、大ビンのサン・ミゲールがでてきた。

 朝食をたべながら、今日の行動を相談する。
今日の午前中は、各自の自由行動ということになった。
お土産を買う者、街をぶらつく者など、てんでに街へと出ていった。

 ボクも街へ出る。
まず地下鉄に乗って、郊外へと向かった。
どこでもよかったのだが、美孚(メイフー)で降りてみる。
駅の西側は海で、大きなコンテナーが山のように積まれている。
東側はごく普通の団地が、駅前から広がっている。
駅の近辺をうろついてみる。

中国将棋に興じる男たち
 来てみるべきですね。
小さな公園で、何人かの男たちが集まっている。
この雰囲気、やっぱりやっていた。
中国将棋をやっている人たちを見つけた。

 香港は近代化が進んだ国だから、市内では誰も将棋などやっていない。
ところが、一歩郊外へでると、男たちの遊ぶ姿があった。
もちろん、中高年者が多い。
定年退職したと思われる年齢が半分以上、中に40代だろうか、何人か若いのが混じっている。

 将棋盤は3つ。
右の写真は観客が多かったが、ほかの2ヶ所は、誰も観客がおらず、2人が勝負に専念していた。

 ここで初めて見たゲームがあった。
細長いカードで、楕円の黒丸がいくつか描かれている。
これは明らかに運に頼るゲームである。
1勝負が終わるごとに、2香港ドル硬貨が行ったりきたりしている。
近所の仲間たちなのだろう、すこぶる安いレートである。

 4組くらいのテーブル上で、男たちがカードゲームを遊んでいる。
将棋には観戦客が鈴なりだったが、カードゲームには1人も観客はない。
これはゲームの性質によるものだ。
運を遊ぶゲームでは、他人の手筋を見ていても面白くない。
それに対して、将棋は岡目八目というごとく、観戦していても面白いのだ。
観戦者も自分なりに手を読むことができるし、やっている人の手筋を読む楽しさもある。
運のゲームでは、筋を読むことなどないから、観戦してもゲームに参加できないのだ。
だから、運のゲームには観戦者がつかないのだ。

 この写真を撮れたことは大満足だった。
帰りは海岸線を走る電車に乗る。
九龍でおりて、航空会社運営のシャトルバスに乗ろうと思ったら、航空券がないとダメだという。
たしかに、航空会社が飛行機の利用者のために、ホテルとタイアップして無料で運行しているのだろう。
仕方なくタクシーを捜す。
しかし、これが判らないのだ。

 飛行場からの順路としては、きわめて良くできており、香港に着いた人はかんたんに町中までたどり着ける。
しかし、駅の中にいると、タクシー乗り場が判りにくい。
また通りかかった人に聞いても、タクシー乗り場を知らない。
ガードマンをつかまえて、やっとタクシー乗り場を教えてもらった。

 YMCAホテルに戻ると、全員集合していた。
ホテルに預けた荷物をうけとって、シャトルバス乗り場に行く。
バスが来て、乗り込もうというときになって、白バイがバスの前に停まった。
何だろうと思って見ていると、バスの運転手が降りてきて、白バイの警官と話し始めた。
どうやら駐車違反だというらしい。

 このあたりは工事中で、道が狭くなっている。
ホテルのすぐ脇だから、送迎のマイクロバスなどが、ひきりなしに駐停車している。
この時も、駐車レーンが満車で、バスはその外側に、ダブルパーキング状態で停車していた。
運転手は乗っているから、注意されるだけかと思っていたら、違反切符を切られてしまった。
バスは完全に道路をふさいでいるわけではなく、辛うじてだが車が通り抜ける余地はある。
にもかかわらず、無情にも警官は違反切符を切ったのだ。

 交通事情に関連して、気が付いたことをひとつ。
香港人も、そしてボクも、赤信号は守らない。
赤信号でも、車が来なければ、さっさと道を渡る。
これは世界の常識である。
しかし、子供連れの場合は、事情が違う。
香港人は子供の手を握っていることが多く、子供と一緒のときには、実に辛抱つよく青になるのを待っている。

 子供連れの人は赤信号で渡らない気がしたので、ずっと観察していた。
だから、ほぼ間違いない。
香港人は、子供と一緒のときには、けっして赤信号を無視して道を渡らないのだ。
大人だけだと赤信号を無視するくせに、子供と一緒のときには、赤信号を守るのだ。
これには感心した。

 といったことを思っているうちに、バスは高速鉄道の九龍駅へと向かう。
九龍駅で飛行機のチェックイン、そして、荷物をわたして身軽になって飛行場へいく。
飛行場ではオクトパスの払い戻しをしてもらい、残った香港ドルを円に戻す。
帰りの全日空NH910便は、定刻通りに、香港国際空港を離陸した。
機中で、ワインのお代わりしたのはいうまでもない。
              −了−

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