朝、また泳ぎに行く。
月曜日になったせいか、子供たちの姿は見えない。
ほとんどが中高年齢者だ。
子供は騒がしいものだが、昨日と雰囲気は変わらない。
全レーンを使って、皆ゆっくりと泳いでいる。
帰りの飛行機は、午後3時25分である。
ホテルのチェック・アウト手続きをする。
そして、荷物をホテルに預ける。
まずは朝食である。
2日目の朝にいったお粥の店に行って、今度は麺を頼む。
麺と言っても、いろいろあって、ボクはビーフンにする。
そして、ビールを頼む。
すると問答無用で、大ビンのサン・ミゲールがでてきた。
朝食をたべながら、今日の行動を相談する。
今日の午前中は、各自の自由行動ということになった。
お土産を買う者、街をぶらつく者など、てんでに街へと出ていった。
ボクも街へ出る。
まず地下鉄に乗って、郊外へと向かった。
どこでもよかったのだが、美孚(メイフー)で降りてみる。
駅の西側は海で、大きなコンテナーが山のように積まれている。
東側はごく普通の団地が、駅前から広がっている。
駅の近辺をうろついてみる。
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中国将棋に興じる男たち |
来てみるべきですね。
小さな公園で、何人かの男たちが集まっている。
この雰囲気、やっぱりやっていた。
中国将棋をやっている人たちを見つけた。
香港は近代化が進んだ国だから、市内では誰も将棋などやっていない。
ところが、一歩郊外へでると、男たちの遊ぶ姿があった。
もちろん、中高年者が多い。
定年退職したと思われる年齢が半分以上、中に40代だろうか、何人か若いのが混じっている。
将棋盤は3つ。
右の写真は観客が多かったが、ほかの2ヶ所は、誰も観客がおらず、2人が勝負に専念していた。
ここで初めて見たゲームがあった。
細長いカードで、楕円の黒丸がいくつか描かれている。
これは明らかに運に頼るゲームである。
1勝負が終わるごとに、2香港ドル硬貨が行ったりきたりしている。
近所の仲間たちなのだろう、すこぶる安いレートである。
4組くらいのテーブル上で、男たちがカードゲームを遊んでいる。
将棋には観戦客が鈴なりだったが、カードゲームには1人も観客はない。
これはゲームの性質によるものだ。
運を遊ぶゲームでは、他人の手筋を見ていても面白くない。
それに対して、将棋は岡目八目というごとく、観戦していても面白いのだ。
観戦者も自分なりに手を読むことができるし、やっている人の手筋を読む楽しさもある。
運のゲームでは、筋を読むことなどないから、観戦してもゲームに参加できないのだ。
だから、運のゲームには観戦者がつかないのだ。
この写真を撮れたことは大満足だった。
帰りは海岸線を走る電車に乗る。
九龍でおりて、航空会社運営のシャトルバスに乗ろうと思ったら、航空券がないとダメだという。
たしかに、航空会社が飛行機の利用者のために、ホテルとタイアップして無料で運行しているのだろう。
仕方なくタクシーを捜す。
しかし、これが判らないのだ。
飛行場からの順路としては、きわめて良くできており、香港に着いた人はかんたんに町中までたどり着ける。
しかし、駅の中にいると、タクシー乗り場が判りにくい。
また通りかかった人に聞いても、タクシー乗り場を知らない。
ガードマンをつかまえて、やっとタクシー乗り場を教えてもらった。
YMCAホテルに戻ると、全員集合していた。
ホテルに預けた荷物をうけとって、シャトルバス乗り場に行く。
バスが来て、乗り込もうというときになって、白バイがバスの前に停まった。
何だろうと思って見ていると、バスの運転手が降りてきて、白バイの警官と話し始めた。
どうやら駐車違反だというらしい。
このあたりは工事中で、道が狭くなっている。
ホテルのすぐ脇だから、送迎のマイクロバスなどが、ひきりなしに駐停車している。
この時も、駐車レーンが満車で、バスはその外側に、ダブルパーキング状態で停車していた。
運転手は乗っているから、注意されるだけかと思っていたら、違反切符を切られてしまった。
バスは完全に道路をふさいでいるわけではなく、辛うじてだが車が通り抜ける余地はある。
にもかかわらず、無情にも警官は違反切符を切ったのだ。
交通事情に関連して、気が付いたことをひとつ。
香港人も、そしてボクも、赤信号は守らない。
赤信号でも、車が来なければ、さっさと道を渡る。
これは世界の常識である。
しかし、子供連れの場合は、事情が違う。
香港人は子供の手を握っていることが多く、子供と一緒のときには、実に辛抱つよく青になるのを待っている。
子供連れの人は赤信号で渡らない気がしたので、ずっと観察していた。
だから、ほぼ間違いない。
香港人は、子供と一緒のときには、けっして赤信号を無視して道を渡らないのだ。
大人だけだと赤信号を無視するくせに、子供と一緒のときには、赤信号を守るのだ。
これには感心した。
といったことを思っているうちに、バスは高速鉄道の九龍駅へと向かう。
九龍駅で飛行機のチェックイン、そして、荷物をわたして身軽になって飛行場へいく。
飛行場ではオクトパスの払い戻しをしてもらい、残った香港ドルを円に戻す。
帰りの全日空NH910便は、定刻通りに、香港国際空港を離陸した。
機中で、ワインのお代わりしたのはいうまでもない。
−了−
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