香港再々訪
2010.3.10−記
第1日目 香港まで ペニンスラでワインを
第2日目 トラムの香港島 旺角と女人街
第3日目 飲茶後、ビクトリアピークへ 骨董街から高級中華へ
第4日目 最終日 雨中居のトップに戻る


第2日目−2   旺角と女人街  

 ボクは3時に仮縫いがある。
しかし、約束の時刻までは、まだ時間がある。
そこで海パンを買おうと思って、スポーツ店を捜した。
いつも使っている海パンが古くなっていたし、YMCAホテルにあるプールを使ってみたかったのだ。
近所にはたくさんスポーツ店はあるが、海パンは売っていない。
海城街(ハーバーシティ)に行けという。

 海城街との間は、広いとおりで区画されており、地下道を通らないとわたれない。
仕方なしに、地下へと降りていく。
海城街は、シティというように、とても広い。
案内カウンターがあって、香港人も行き先を尋ねている。
ボクも海パン売り場を聞く。

 2階の化粧品売り場の裏側だという。
エスカレーターに乗って、えんえんと歩いていく。
やっと見つけた。
海パン売り場は、隅ほうにひっそりとあって、品数も少ない。
それでもARENAとSPEEDがある。
香港でも、海パン型は少なくなっており、ほとんどがトランクス型である。
少ない中からARENAの海パンと、ゴーグルを買う。
海パンが550香港ドル、ゴーグルが80香港ドルだった。

 また地下道をくぐって、北京道路へもどる。
すこし約束の時間に遅れたが、M.K.Loo の店には、Peter と職人さんが待っていてくれた。
ただちに仮縫いが始まる。
しつけ糸の付いたズボンをはき、片腕だけの洋服を着る。
職人さんがまち針をつかいながら、ポケットの位置など希望を聞いてくれる。
ズボンの長さをちょっと伸ばし、腕廻りをちょっと大きくする。
値段を考えると、思った以上のできで、受け取るのが楽しみになった。

 見本に渡した背広を受け取り、YMCAホテルへと戻る。
路上で、うしろからボクを呼ぶ声がする。
香港で名前を呼ばれると、なんとも不思議な感じである。
2人のメンバーがスタバでお茶していた。
YMCAホテルで全員集合、コンシェルジェにレストランを推薦してもらって、女人街へと向かう。

 意気揚々と地下鉄にのり、女人街のある旺角(モンコック)で下車する。
地下鉄も混んでいたが、旺角も人出が多い。
まるで渋谷の駅前を狭くしたようだ。
すると、その時、メンバーの1人が財布がないと言った。
空いているときの地下鉄の車内


 肩から下げたハンドバックの口が、半分開いていた。
混んだ地下鉄の中で、スリにやられたか!!!
しかし、ホテルに忘れたかも知れないとも言う。
カードが入っていたので、ことは急を要する。
財布を確認するために、2人がただちにYMCAホテルへともどる。

 忘れたのであって欲しいと願ったが、ホテルにも財布はなかった。
カードを使用停止にしなければ。
香港のカード事務所に電話するが、ファックス音がするだけで電話が出ない。
お金がかかるのを覚悟して、日本のカード会社へと電話を入れた。
しかし、カードの管理は、マスターとかVISAがやっているのではないらしい。

 カードを発行している会社が、カードの管理をしているという。
日本のVISAが、カード発行会社の連絡先を教えてくれた。
なんとか電話が通じて、カードの使用を止めた。
幸いにも、まだ使われた形跡はないと言う。
やれやれである。

 外国でトラブルがあると、本当に困る。
まず言葉が通じない。
ホテルだって、警察だって、さして親身になってはくれない。
判らないことだらけの中で、右往左往せざるをえない。
今回は財布だけだったので、大したことはなかったが、パスポートをやられたら大変だった。
ちょっと苦かったが、まあ、これも海外旅行の味の一つだろう。

 旺角(モンコック)で待っているメンバーたちと、喫茶店で合流し夕食と言うことになった。
そこでレストランを探したのだが、めざすレストランは旺角東駅にあるという。
旺角と旺角東は、ちょっと離れている。
ぶらぶらと歩いて、旺角東駅に着いたのだが、めざすレストランがない。
土曜日のせいか、どこもみな込んでいる。
仕方なしに、手近な店にはいる。

 これが失敗だった。
ファミレスと言ったらいいのだろうか、味の素も使っているようで、大味である。
魚料理を注文しようとすると、1匹じゃなくて2匹にせよと迫ってくる。
生きた魚をビニールの袋にいれて、テーブルまで見せに来たが、1匹にする。

 お酒を注文すると、驚いたことに、老酒がないというのだ。
中華料理を食べにいって老酒がないとは、日本料理屋で日本酒がないようなものではないか。

 あたりをみまわすと、ビールと赤ワインである。
だれも老酒など飲んでいない。
えー!! と思いながら、老酒はないのかと、ボーイさんに問いつめる。
すると彼は、これまた驚いたことを言った。
ビルの同じ階にスーパーマーケットがあり、そこに老酒があるから買ってこいというのだ。

最初は、冗談かと思った。
しかし、まじ本気だったのだ。

麻雀荘の入り口


 彼はボクを店の前まで連れて行って、スーパーマーケットを指さすではないか。
了解である。
ボクは吹き抜けの抜こうに見えるスーパーマーケットまで走った。
30香港ドル以下の安いものしか並んでいないが、2本ばかり買ってテーブルへと戻る。

 この店は、値段もほどほどで、5人前で700香港ドルだから、1人前2000円していないのだ。
値段と味は正比例というが、一同なんとなく納得しない様子のまま、外へ出た。

 スカイ・ウォークをとおって、旺角までもどる。
街は煌々と明かりを付けて、みな商売に余念がない。
ネーザンロードへおりる。
あとはブラブラしながら、YMCAホテルまで歩いて戻るつもりだった。
しかし、麻雀荘を発見してしまったのだ。

 メンバーの1人がトイレを借りに、とあるビルに入った。
すると、麻雀荘があるではないか。
麻雀荘に意気揚々と入ると、ここは<カジノ>だから、家族麻雀をやるところではないという。
みると、テーブルの中央に、数字を書いた紙が吊る下がっている。
その数字が、テーブルでのレートなのだという。
つまり、素人さん、お断りの店だったのだ。

 家族麻雀のできるところはないか、と聞くと、このビルの9階にあると、親切にエレベーターまで案内してくれた。
やっと、たどり着いた麻雀荘では、大歓迎されて、個室へと案内される。
一同、感激である。
さっそくテーブルを囲む。

 お茶が運ばれてくる。
ビールはないか、と聞くと、ネイヨーという返事。
これまた、えー!! である。
買ってきてくれと言っても、そういうサービスはしていないと言う。
じゃあ、ボクが外へ買いにいっても良いかと聞くと、OKという返事。
掛け将棋

 4人が卓を囲んでいる間、ボクが夜の街にビールを捜しにでかけた。
近所の Seven−Eleven で、ビールを買ってきたが、その途中、面白いものを発見した。
掛け将棋にである。
かつて日本の夜店でもみかけたが、もう我が国ではない。
掛け将棋は、ベトナムはハノイの路上で見たのが最後である。
さすがに、旺角は香港の下町である。
3人の男が、路上で盤を構えて、客を待っている。
感動のあまり、写真を撮らせろと言ったが、頑強に拒否された。

 そうだろう。
いろいろな意味で、掛け将棋はデリケートなのだ。
写真を撮らせるのは、難しいとおもう。
ベトナムでも、お金を払って、写真を撮らせてもらった覚えがある。
話をしているうちに、何となくシャッターを押してしまったが、男は別に怒らなかった。

 というわけで、香港第2日目の夜は、麻雀でふけていくのであった。
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