香港再々訪
2010.3.10−記
第1日目 香港まで ペニンスラでワインを
第2日目 トラムの香港島 旺角と女人街
第3日目 飲茶後、ビクトリアピークへ 骨董街から高級中華へ
第4日目 最終日 雨中居のトップに戻る


第3日目−1   飲茶後、ビクトリアピークへ  

 朝、目が覚めて、まずプールへ行く。
ホテルの宿泊客は、プール使用料はとられない。
20メートルくらいのやや小型の競泳用プールと、曲線型のプール、それにジャグジーなどがある。
日曜日のプールは、半分に仕切って、大人たちは3コースを使っている。
残りの3コースは、スイミングスクールの子供たちで一杯だった。

 20分くらい流して、ジャグジーへ。
先に入っている人と、軽く目で挨拶を交わす。
目で挨拶を交わすというのが、日本では最近やらなくなったような感じがするが、どうなんだろう…?
香港の人たちも、健康志向なのだろうか。
中高年の、しかも女性が多い。
スクール水着のような、ややダサイ水着が微笑ましい。
近所の人たちだろうか、お互いに顔見知りらしく、なにやら話をしている。
コラーゲンの鶏の手
ウサギのデザート(同行メンバー撮影)

 プールから上がって、気持ちよく、ロビーに集合。
今朝は飲茶である。
ふたたび鴻星酒家へとくりだす。
ここはワゴン式ではなく、メニューに記入する方式である。
だから、周りの人が何を食べているか、じっくりと偵察しないと、注文するものが分からない。
10品くらい注文しただろうか。
美味い。
微妙な味が、ほんわりと口の中に広がる。

 どれも上品な味である。
モミジ(鶏の手)は日本人が食べないから、中国に輸出しているのだそうだ。
ひょっとすると、ボクたちが食べたモミジは、メイド・イン・ジャパンだった?
じっくり煮込んであるが、けっして味が濃くない。
どれも日本では食べることができない。
それほどデリケートである。

 今日は、香港島の骨董街に行くことになった。
やっぱりスターフェリーである。
今日はロアーデッキにのって、中環をめざす。
となりには外洋船だろう、大きな船が係留されている。
中環の艀(はしけ)が、今日は昨日とは反対側に着いた。
空中歩道を街のほうへ向かう。

 日曜日のせいで、若いフィリピーナがたくさん集まっている。
床に段ボールを敷き、四方山話に余念がない。
カードをやっているグループもある。
国外に出て、彼女たちはたった1人、住み込みで働いている。
言葉も違うし、食べ物も、気候も違う。
孤独だろう。
勤め先のグチや、故郷の話など、週に一度のゆったりした時間にちがいない。
屋根のかかっている部分がエスカレーター


 彼女たちのかたわらを歩いて、骨董街へと向かう。
すると空中歩道が、そのままエスカレーターに接続していた。
骨董街のことを忘れて、エスカレーターにのってしまった。
このエスカレーターがなが〜い。
どこまでもどこまでも続くエスカレーターで、両側には飲食店などが軒を並べている。
これだけ長いと、有料じゃないかと思えるほどで、振りかえるとはるか下に街が見える。

 エスカレーターの右側には、階段が続き、その向こうにはアパートがならんでいる。
とうとうエスカレーターは終わりかと思ったが、デッキ状の通路を戻ると、またエスカレーターが続いていた。
途中にはスーパーマーケットもある。
このエスカレーターは観光客のためだけではなく、傾斜地に住む地元の人たちのためのようだ。
終点についても、特別に何があるというのでもない。
静かな道路が横切っており、住宅地が続いているだけだった。

 さて、そこからどこへ行くか。
骨董街ははるか下に通りすぎてしまった。
そこで、ビクトリア・ピークに行こう、ということになった。
たしか、この近くにケーブルカーの駅があるはずだ。
ところが、近所の人に聞いても、ケーブルカーの駅を知らないという。
地図を見ながら、当てずっぽうで歩いていく。
歩いてビクトリア・ピークに向かう人と、途中で一緒になる。
ぐるぐるとまわる道や、細い空中歩道が、自動車専用道にからみながら下へと続いていく。
せっかく登ったのに、どんどんと下っていくのだ。

 この辺に住んでいるらしき白人の男女に、ケーブルカーの駅を聞いてみた。
自分たちと同じ方向だから、付いてこいと言う。
近道だといって、動物園の中を通ったりしながら、ケーブルカー駅まで案内してくれた。
ドイツ人の夫婦で、すでに10年も香港に住んでいるのだとか。
同行メンバーの1人が、ドイツの会社に勤めていることもあって、ドイツの話がびんびんと通じる。
なんと彼等の姪が、同行メンバーと同じ会社に勤めているのだとか!
市民権も持っているらしく、香港は良いところだと、さかんに香港の宣伝をしていた。

 2人と分かれて、ケーブルカーにのる。
ここでもオクトパスが使える。
古いケーブルカーは、ちょっとスリルがあって、楽しい乗り物だった。
ビクトリア・ピークの頂上は、ちょっと霧がかかっていたが、それでも香港の街並みはよく見えて、来たかいがあった。

エスカレーターの終点あたりの住宅街

 こんな上のほうまで、住まいが建っている。
今では車が入るだろうが、昔この家を建てたときは、さぞ大変だっただろうと思う。
ここまで資材をどうやって上げたのだろう?
また、こんな高いところに住んで、日常生活に不便ではないのだろうか。
それとも、ここはウィークエンドの住まいで、ダウン・タウンにはマンションをもっているのだろうか。
それにしても、子供だっているだろうし、どんな生活を営んでいるのだろうか。
その裕福そうな家を見ていると、女中さんだろうか、サンルームから出てきて、洗濯物をとりこんでいた。

 ビクトリア・ピークは典型的な観光地である。
山頂の展望台には、何軒もの土産物屋がひしめいている。
さまざまな人種がうろうろしている。
われわれ老人たちも、一緒になってうろうろする。

 一番上の屋上に出るのは、有料であった。
今日は霧で視界が悪いが、一度支払った入場料は、何も見えなくても返さないよ、と案内の女性がいう。
最初、彼女が何をいっているのか判らなかった。
すると、列に並んでいた日本人女性が、返金しないのだと説明してくれた。
彼女は香港に住んでいるのだとか。

 屋上をうろついた後、ここで簡単な昼食。
ヨーロッパから来た若者たちの隣に席をとる。
若者の元気と、アホさ加減は、どこでも同じ。
若い時代は良いものだ。
ここのトイレが、昔の小学校にあったような形で面白かった。
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