初老人たちの西安散策
2012.5.12−記
第1日目 西安に到着
第2日目 兵馬俑を見に行く 我要酒 国民不能喝
第3日目 城壁上のレンタサイクル
第4日目 イスラム寺院
第5日目 乗り継ぎは大変 雨中居のトップに戻る


第3日目   城壁上のレンタサイクル  

 3月17日(土)
 ホテルのロビーに集合。
タクシー2台に分乗して、西安歴史博物館へと向かう。
タクシーは開放路から和平路と走り、城壁を抜けて雁塔路を南へと向かう。
西安のタクシーはメーターが付いており、料金は明朗である。
しかも、安い。
たちまち博物館前に到着。

 博物館の近くで朝食という計画だったので、タクシーの車窓から街を見ていた。
博物館の手前に、それらしき建物があったので、歩いてみる。
ビンゴ。
飲食店が集まったものだった。

 間口2メートル程度の入り口から、その両側に食堂が並んでいる。
奥へ入ると、昔の学生食堂のような感じである。
中央にテーブルが並び、それを取り囲んでさまざまな店がある。
店の上部には、写真入りでメニューが掲げられているので、実に判りやすい。
薄暗く清潔感とはほど遠いけれども、初老人たちは大喜びである。

昔の学生食堂を思わせる

 各人各様にそれぞれの店に注文した。
それを自分たちのテーブルまで持ってきて食べるのである。
セルフサービスのファーストフード店の集合と言ったら良いだろうか。
しかし、作るのに時間がかかると、マックと違って、店の人がテーブルまで運んできてくれることもある。
おおむね10元前後で、高いものでも20元くらいである。
湯麺が多かったが、チャーハンもある。

 腹拵えも終わったので、歴史博物館へと向かう。
入場券を買うべく、行列の最後尾に付く。
何と入場無料なのだ。
ここでは身分証明証をみせると、入場券をくれる仕組みである。
兵馬俑では高い入場料ばかりだったので、のけぞるほど驚いた。

 西安歴史博物館という名前の通り、大昔からの西安の成り立ちを展示している。
もちろん兵馬俑関連も展示されているが、普通の博物館である。
ちょっと驚いたのは、奉仕団のような若者が、清掃活動に精をだしているのだ。
建物内外の床を箒で掃いたり、手摺りを拭いたりしている。
まるで天理市に来たかのような錯覚に陥った。

 博物館の見学終了。
また2台のタクシーに分乗して、骨董街へと向かう。
碑林博物館の前で集合。
碑林博物館には入らずに、その脇から南大街まで続く骨董店を冷やかす。
南大街にでると、城壁の外側に公厠がある。
あちこちに公衆トイレがあって、西安のトイレ事情はとても良い。
南門にまわって、40元を払って城壁に登ることにする。

 トンネルを潜って中庭にでる。
そこから階段で城壁へと上るのだ。
城壁の高さは10メートル以上あるだろう。
幅も10メートル以上ありそうだ。
(西安市のHPによると、城壁の高さ12メートル、上部の幅は12〜14メートル)
上に登ると、やや大きめのレンガが敷きつめられている。
レンタ・サイクルがあった。
ヘルメット付きで、1時間40分で40元である。
面白そう。
無条件に借りる。

 城壁は東西に4キロ、南北に3キロあり、1周で約14キロあるという。
自転車を借りた初老人たちは、大喜びで時計と反対回りで、東へと走り出した。
この自転車が超優れもので、エアサス付きの最新型である。
しかもボクの借りたのには5段ギアが付いていた。
気持ちよく風を切って、自転車が走る。
床面がレンガだから、ゴトゴトするがそれほど気にならない。

写真中央は麻雀を遊ぶ女性たち

 走り出してすぐ、さっき行った骨董街が見える。
細い路地の向こうでは、路上で女性たちが麻雀をやっている。
その先では、古い建物が、朽ちかけ始めている。
城壁の内側は旧市街で、新しい建物は城壁の外側に広がっている。
路床のレンガを補修しているところに行き会った。
レンガの下にはきちんとアスファルト防水をしている。

 やがて西安バス発着所、西安駅が見えてくる。
ここからは西に向かうことになる。
反対回りで走る自転車にであう。
北門でも自転車を貸し出している。
霞がかかったような大気だが、のどかな陽光で気持ちが良い。
自転車をこぐとうっすらと汗をかくようだ。

 シルクロードの出発点だった西門を通過。
城壁から市内を見ると、街のさまざまな面が見えて、実に面白い。
1時間40分というのは、自転車で一周する時間に設定されているようだった。
旅先で自転車にのるなんてことができるのは、あと何年だろうか?
一同、多いに満足して城壁を下りてきた。

 喉が渇いたので、お茶したいということになった。
最初に入った中庭にスタバが店を出しているが、反対側にはバーがある。
それっ、ビールだと言うことになった。
青島ビールが運ばれてきた。
運動した後のビールはウマイの一言。
満足、満足である。
今日は庶民的な餃子ではなく、高級な餃子を食べようと言うことになった。
そこでガイドブックに従って、徳発長なる有名店に行くことにした。

 徳発長は昨日のロータリーの近くにあり、大きなネオンが出ていた建物のなかにあった。
大きなレストランで、我々は2階に案内された。
真ん中が回転する中華式のテーブルに座る。
ほとんどコースになっており、1人前100元だったろうか。
ここの餃子も焼き餃子ではない。
いわゆるシュウマイである。
中の具が色々とあるのと、餃子の形が亀だの鶴だのと造形されている。

 サービスする女性は日本語がペラペラ。
ここではビールがあるだろうと、ビールを頼む。
と、ありました。
彼女に夕べは国民不能喝といわれて、ビールが飲めなかったと話すと、そこは女性がスカーフかぶっていなかったかと聞く。
スカーフかぶっていたと答えると、そこはイスラムの店だから酒が出ないのだ、と教えてくれた。
普通の中国レストランでは、大丈夫、お酒がありますよと笑う。

 ちなみに夕べ書いた我要酒、泡酒という紙を見せたら、ちょっと考えて笑い出した。
ビールは?酒だと書いてくれたが、泡酒でも判ると言って、また笑った。
彼女は商売熱心で、お土産に薬用酒を買えという。
この薬用酒は飲むだけではなく、キズに付けても良いし、万能薬だという。
試飲もさせている。

 特別に170元だという。
170元を150元に値切ると、マネージャーに聞いてくると言って一度引っ込んだ。
そして、お客さんは特別だから150元でOKだという。
何が特別だか判らないが、2人が買うことになった。
高級餃子を堪能した。
しかし、餃子はどう頑張っても、B級グルメである。

 まだ陽が高い。
街を歩く。
結婚写真を撮っているシーンに出会う。
数組の新郎新婦が、モデルよろしくポーズを撮っている。
それを一眼レフのカメラをもった男性がねらっている。
このあたりは結婚写真を撮る店が多いようらしく、道の両側でポーズをとる男女とカメラマンをみかける。
その中に喫茶店のような麻雀をやらせる店があった。
ここに来ようかという話が出るが、取りあえずは店の前を通過。

 小径を散策しながら、大通りに出る。
麻雀への願望に負けたのか、来た道を引き返す。
途中にドッカン豆というのだろうか、お米やトウモロコシを入れて加圧し、ふっくらとさせるオジサンがいる。
ボクも子供の頃、やってもらったっけ。懐かしい。

 さっき通りすぎた喫茶店に到着。
2階の小部屋が麻雀部屋で、自動の麻雀卓が1台置いてあった。
ハナパイを使わないらしく、この麻雀卓は日本と同じ仕様である。
この部屋を貸しきりで、一晩60元だという。
夕べはホテルでやったので、今夜は街の雀荘でやるのも良いだろう、ということになった。
夕べに引き続いて女性1名が馬鹿付き。
麻雀が終わったのは12時をまわっており、タクシーに分乗してホテルに戻った。
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