今日は土曜日なので、ウイークエンド・マーケットが開いている。
ということでBTSでモーチット駅へと向かう。
モーチット駅で降りて歩き始めると、今回の旅行で探していた盤上遊戯に興じる人たちがいた。
歩道の壁際にそって、ノンビリと盤上を見つめる男2人。
マークルックだった。
写真撮影も気軽にOKがでた。
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歩道の脇でマークルックに興じる |
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室内でマークルックに興じる |
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何組かの仲間とマークルックに興じる |
彼らは路上に直にお尻を付けておらず、木製の箱を椅子代わりにしている。
そして、盤は段ボールの上にのせている。
明らかに進化したパターンである。
すると室内でも別の男たちが盤を囲んでいるではないか。
室内で盤上遊戯をするのは、もっとも進化したスタイルなのだ。
もちろん彼らは立派なテーブルの上に盤をのせ、木製のスツールに座っている。
ベトナムでは地面に尻を付けて遊んでいるシーンが多かったし、タイでもイサンなどでは地面に盤を描いていた。
1995年当時、バンコックではすでにテーブルの上に盤が移動していたし、一部では室内化も見られていた。
タイは近代化が進んでいたといって良いだろう。
今日もここで室内遊戯となったシーンを見ることができた。
近代化の進んだ我が国では、こうしたゲームは完全に室内遊戯となっている。
とうとうタイも近代化が完成期に入ってきたのだろうか。
何カットか撮った後、ウイークエンド・マーケットへと向かう。
すると、どうしたことだ。
昼過ぎの食堂の中では、何組もの男たちがマークルックを遊んでいるではないか。
昼ご飯時も過ぎて、空いてきた食堂は格好のゲーム場である。
こちらが近づいていっても、気がつかないほど熱中している。
総じて中・高齢者が多いが、なかには若い者も混じっている。
完全に室内で、しかもテーブルの上の盤と椅子に座ったゲーマーたち。
これだけの男たちが盤に向かっているということは、おそらく碁会所のような場所なのだろう。
かつては路上で遊ばれていた盤上遊戯が、もはや室内遊戯化したのだ。
だから、ボクのような外歩きの人間には、遊んでいる姿が見えなくなったのだろう。
盤上遊戯を追ってきたが、タイは1998年頃の通貨危機を乗りこえた頃から、近代化も完成期というか安定期に入ってきたのではないだろうか。
タイ南部では、盤上遊戯を遊ぶ姿こそ見かけなかったが、タイル製の盤上遊戯の盤がそここに見られた。
うち捨てられたように盤の廻りには誰もいなかった。
しかし、かつてはこれらの盤で大勢の男たちが、筋を追って悩ましげに考えたことだろう。
近代化が軌道に乗るにしたがって、屋外の盤上遊戯から離れていったに違いない。
タイル製のテーブル盤は場所取りだから、都市のバンコックでは使われずに、最初からポータブルな盤で遊んでいたのだろう。
そのために、こうして時々ボクの目に触れるに違いない。
筋を追う遊びの大衆化が近代を切り拓くという、ボクの仮説はきわめて怪しげな基準だから、近代化の正確な立証は難しい。
しかし、大きな流れとしては正しいのではないだろうか。
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