平日のビルマ
7.長距離でもバスが足である

 快適さの追求だけが、建築設計ではないだろう。人間の生きるって、何だ。しかも、すでに少子化が進行し始めており、家族が小型化していたのだ。そうした時代背景に、住宅設計はどうすれば良いのか。そんな茫漠たる探求心が、東南アジアへの旅へと駆り立てていたのだろう。

 「単家族」という概念をつかむのは、この頃だった。もはや核家族の時代ではない。核家族に替わる家族の形が、単家族だった。

 写真の解説はページの下にもあります。

1995年−個展の案内
1.ヤンゴンを走るバス
2.ヤンゴン港で走る舟
3.荷物を頭上で運ぶ男
4.バスの中の坊さんたち
5.日陰を求めて
6.普通の家でも、坊さんがいる
7.長距離でもバスが足である
8.トラックのバスに乗る
9.水をくんで家まで運ぶ少女
10.牛はゆうぜんと寝そべる
11.パガンの子供たち
12.イラワジ川の近くのパゴタ
13.パガン遺跡−1
14.パガン遺跡−2
15.パガンの落日
 ミャンマーにはヤンゴンとマンダレーとを結ぶ鉄道があるだけです。その鉄道も、保線が悪いのでダイヤ通りには走っていません。その他は、すべてバスと言うことになります。バスが重要な移動機関であり、輸送機関です。屋根の上に大きな荷物を積み、乗客を満員にして、曲がりくねった山道を走ります。  途上国では重厚でおとなしい運転手と、威張りくさった車掌が多いのですが、ミャンマーでも例外ではありません。虎の威を借りるとは、運転手の威光を借りて威張るのでしょう。それにしても、運転手は大変だ。
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