平日のビルマ
9.水をくんで家まで運ぶ少女

 幼い少女が、毎日、水汲みにいく。大家族のもとでは子供は労働力なのだ。サラリーマンが中心の社会では、家族は小さくなりこそすれ大きくなることはあり得ない。

 この写真の村は、全員が農業に従事しており、だからこそ大家族である必要があるのだ。

 個展の写真を見て、多くの人はのどかな農村を賛美していった。しかし、1人の老女はこんな生活はこりごりだ、といって昔の生活を否定し、現在の我が国を肯定していたのが印象的だった。

 写真の解説はページの下にもあります。

1995年−個展の案内
1.ヤンゴンを走るバス
2.ヤンゴン港で走る舟
3.荷物を頭上で運ぶ男
4.バスの中の坊さんたち
5.日陰を求めて
6.普通の家でも、坊さんがいる
7.長距離でもバスが足である
8.トラックのバスに乗る
9.水をくんで家まで運ぶ少女
10.牛はゆうぜんと寝そべる
11.パガンの子供たち
12.イラワジ川の近くのパゴタ
13.パガン遺跡−1
14.パガン遺跡−2
15.パガンの落日
 地方に行くと、電気はもちろん水道も引かれていません。集落のはずれにある水場まで、牛車が水を運びに行きます。この水といっても、我が国のような透明の水ではなく、茶色に濁っています。しかも、渇水期になると、この水も干上がってしまうことがあります。するともっと遠くまで行かなければならなくなります。  村の水場に近い住まいからは、少女が水汲みに通います。天秤棒に石油缶を振り分けにして、ゆっくりと自分の家まで水を運びます。子供いえども、りっぱな労働力です。子供が学校に取られてしまうのを、親たちが歓迎しないのも理解できます。
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