アンコール・ワットへ
2010.12.16−記
第1日目 シュムリアップまで ナイト マーケット
第2日目 アンコール・ワットへ アンコール・ワットの中へ
第3日目 昼食と市場と影絵
第4日目 アンコール・トム
第5日目 ロリュオス遺跡 西バライと民俗文化村
第6日目 再度、アンコール・ワットへ 雨中居のトップに戻る


第4日目−1   アンコール・トム  

 朝食が済むと、サマイのトクトクが来ている。
今日から3日間、トクトクを借り切りたいのだが、3日30ドルでどうだという。
アンコール・ワット付近だけならOKだが、郊外に出るには35ドルにしてくれという。
昼飯を奢るからと、それを33ドルに値切って、交渉が成立した。

 アンコール・トムに向かう。
今日は国道6号線を、反対方向に走り出す。
飛行場の前をとおって、のどかな田園地帯をすすむ。
遺跡入場のチケット・チェックポイントにさしかかる。
1日券しか買っていなかったので、また、チケット発行所へと向かう。
今度は3日券を買う。
これも写真入りで、40ドルである。

荒れ果てたアンコールトム
アンコールトムは修理中

 アンコール・トムは広い。
アンコール・トムの内部は中央にバイヨン寺院、そのバイヨン寺院の北に王宮やテラスなどの遺跡群がある。
外周の城壁は、3キロ四方もあろうか。
アンコール・ワットに面した南大門から入る。

 城壁の内部に入っても、遺跡は見えない。
見えるのは電気自動車や、客待ちのトクトクなどである。
韓国客を乗せる象もいた。

 そこは木立がつらなり、外部と変わらない風景である。
南大門を通るときには、トクトクを降りて歩いたが、すぐにサマイが迎えに来てくれる。
やがて、バイヨン寺院がみてえくる。
あちこちが修復中で、地道な作業がつづいている。
ドイツ、フランス、そして日本も修復に協力しているようだ。
協力していますと言う看板が掛かっている。

 サマイを遺跡の前に残して、多くの観光客とともに遺跡の中を歩く。
どこを見ても、石だらけ。
遺跡に詳しい人には、よく判るのだろうが、よく判らないボクにはやや退屈である。
王のテラスをでると、もうそこは林の中。
観光客も四散して、中国人らしきカップルだけ。
やがてボクのまわりには、誰もいなくなってしまった。
心細くなりながらも、林の中を歩き続ける。

 井戸のそばで身体を洗っている男性がいる。
石鹸のついた身体に、何度も水をかぶっている。
30度以上あるので、水をかぶっても、まったく寒くはない。
むしろ気持ちいいだろう。小さな子供が、絵はがきを持って寄ってくる。
1ドルだよ、買わない?という。

 広場のほうにでる。
土産物屋や食堂が並んでおり、多くのトクトクがまっている。
太ったオバサンが、さかんに食事をすすめる。
どうやらここで、昼食だろう。
ここはサマイと一緒でもOKである。
ビールにチャーハンと簡単な食事にする。
近くでは、サルの親子が遊んでいる。
お尻が色っぽい仏様
アンコール・トム内のお寺


 昼食後は、王のテラスの前にある遺跡から歩き始める。
すでに崩れたと言ったほうが良いくらいに、小規模になった遺跡を乗りこえてすすむ。
すると、僧侶達の住む家であろうか、人の気配がする。
高床式の家と、小さな物の並んだ小屋がある。
ここまでは観光客も来ないらしく、静かな佇まいである。

 アジアの僧たちは、じつに日常に馴染んでいる。
となりを観光客が歩こうが、ほとんど関係ない。
たんたんと修行生活を営んでいるのだ。
ちょっと観光客から離れていれば、彼等の日常に喧噪が混じり込むことはない。
仏道修行というのが、ほんとうに個人の心の中のことだと知る。
周囲の様子など、修行者にはどうでも良いことのなのだ。

 林の中を歩いて、大きな仏様の前をすぎ、道路に出る。
サマイがトクトクをまわしてくれる。
また、トクトクに乗って、次の遺跡に向かう。
鬱蒼とそびえたつ木々のあいだを、トクトクは進む。
なんだか頭上から、リーンという音が降り注ぐ。
どうも気のせいではない。どんどん音が大きくなる。
ライチィの木がたてる音なのだそうだ。
タプローム寺院まで行く。
ここも見たけど、何となく印象が薄い。
日差しが強くて、お目付役は疲れ気味。
また、ホテルに戻ることにする。
夕方まで、プールでノンビリする。

 6時半に、サマイが迎えに来てくれる。
今夜はカンボジアン・ダンスである。
大きなレストランで、大型バスが団体さんをつれてくる。
食事をしながら、ダンスを見るという趣向は、影絵と同じである。

 サマイが予約を入れてくれた。
しかし、案内された席は、舞台からはるかに遠くである。
予約を入れたのだから、もっと舞台に近い席にして欲しいというと、ぐっと近い席に案内してくれた。
やはり、大型の団体さんが優先のようだ。
ビュッフェ・スタイルで、お酒別で1人12ドルである。

 ワイン・リストが来る。
15ドルのワインを頼むと、あいにくと品切れだという。
同じ値段にするから、こちらではどうかという。
どうせ、ワインなんて判らないのだから、難しいことはいわずにOKの返事。
しかし、全体にサービスは悪い。

 カンボジアン・ダンスはノンビリしたもので、現代のリズムを知った者には、いささか物足りない。
ドジョウ掬いかと思ったら、宝石を捜す仕種だった。
指を反らせる特有の動き。女性達はそれなりに上手いが、男性達はアルバイトだろう。
ポルポトの時代に、ダンサーが粛正されてしまったのだとか。

 ダンスはわりと短時間で終わってしまった。
そのあとで、ナイト・マーケットを経由して、ホテルに帰った。
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