ハノイ→サイゴン
2011.6.10−記
第1日目 ハノイ再訪 ホアンキエム湖
第2日目 女性の喧嘩 水に当たる
第3日目 Google Hotel 阮朝王宮
第4日目 ツアー・バス 白人女性のタフさ
第5日目 ダナンへ サイゴンへ
第6日目 中国将棋 雨中居のトップに戻る


第5日目−1   ダナンへ

 第5日目
 朝、8時にダナン行きのバスが、ホテルにやってくる。
このバスはダナンの何処まで行くのかと聞くと、バス会社の事務所までだという。
そこから飛行場まで、シャトルバスはあるかと聞くと、タクシーで行けという返事。
お客はボク1人。
一番前に座る。
これまた次々にホテルを廻って、さまざまな客を拾っていく。

 外国人観光客だけではなく、大きな荷物を持った地元の人たちも乗ってくる。
とあるベトナム人女性客は、オートバイを持ちこもうとしている。
長距離バスだから、客席の下には大きな荷物入れがある。
そこにオートバイを横倒しにして乗せようというのだ。
男性が4人がかりで、奮闘している。
バックミラーをたたんで、何とか積みこんだ。
しかし、ガソリンやバッテリー液が漏れたりしないのだろうか。
多分、いつもやっているのだろうが、危ないこと夥しい。
まさに途上国である。
ほぼ満席になって、バスはダナンを目指して出発した。

 ダナンはフエの南にある。
海岸線を左手に見ながら、細長いベトナムの海沿いに南下する。
ときどき鉄道の線路があらわれる。
椰子の木があるのが我が国と違うが、それほど違和感のない風景である。
郊外の道路は完璧とは言いがたいが、対抗2車線分は何とか舗装はされている。
大型バスが対向車線へはみ出しての、抜きつ抜かれつといった路上レースはなく、安全運転が続く。

 1時間半くらい走ったところで、トイレ休憩のためにドライブ・インに入る。
他のバスも停まっており、テーブルに休憩している人も多い。
日本人らしき男性も2人でコーヒーを飲んでいる。
ベトナム・ティーはないというので、リプトン・ティーをたのむ。
前のバスが出てしまうと、グッと客は少なくなった。

 鉄道の線路と交錯しながら、ハイヴァン峠に向かう。
ハイヴァン峠には、2005年にトンネルが完成したので、バスはこちらを通ってしまう。
下には旧道らしき道が見える。
トンネルの入り口には、日本とベトナムの国旗が張り付けられており、日本の協力で完成したことを示している。
そのせいか、トンネルの内部は日本の雰囲気そのままで、東名かどこかの高速道路を走っているようだ。

 ハイヴァン峠を超えると、グッと見晴らしが良くなった。
高速道路の途中で、ベトナム人女性が下車した。
前方に街並みが見えてきた。
ダナンだろう。
海水浴場やリゾートっぽいホテルなどを過ぎる。
大規模開発が途中で止まってしまったという風景も見える。
工事が進んでいる場所もある。

 ダナンの市内に入った。ベトナム人の乗客が次々に降りていく。
オートバイを持ちこんだ女性も下車した。
しかし、市内を抜けてしまったようで、また殺風景な場所に入ってしまった。
12時もだいぶ過ぎた頃、とあるホテルの前に停まる。
ここが終点だという。
これではダナン市内の見物などできない。
近くのタクシーをつかまえて、飛行場まで行くことにする。

 飛行場までは35キロあり、料金はメーターにでると、タクシーの運転手は言う。
35キロといえば隣町ホイアンよりも遠い。
相当な距離だ。
ダナンの市内を表記したガイドブックには、ダナンの飛行場が描かれていない。
おそらく1時間近くかかるだろう。
何処でもタクシーというのは胡散臭い。
ダナンの街の構造がよく判らない。土地勘がない以上、運転手を信じるしかない。
少し心細くなりかかった頃、ダナンの飛行場に着いた。

 随分と遠かったようで、400ドンである。
しかし、日本円に直してみれば、約2000円といったところで、日本の感覚からすれば安い。
何度かタクシーに乗ったが、タクシーは安いように感じる。
シクロが観光化して、1時間50ドンということを考えれば、タクシーも良いかも知れない。

 飛行場ですぐチェック・イン。
そして、手荷物検査。
しかし、ここで引っかかってしまった。
入国の時の検査官は、自分のケイタイを見ており仕事をしていなかったが、ここの女性検査官はしっかり見ていた。
成田では通ったのに、筆入れのなかのカッター・ナイフを見つけたのだ。
放棄せよと言う。

 仕方なくカッター・ナイフの刃だけ差しだす。
使い古した2センチくらいの刃で、さすがに女性検査官も苦笑いしているが、彼女は黙って受け取った。
こうした検査官には、決められた通りに仕事をする女性のほうが向いているかも知れない、などと思いながらカウンターを離れる。
飛行機は定刻にダナンを離陸した。
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