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駅のコインロッカー。松井潤一郎が、茶封筒をコインロッカーに入れる。鍵 を抜いてポケットに入れて、歩き去る。タクシーに乗るのが、画面に小さくはいる。雨。 |
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エアロビを終えた大野陽子が、建物から出てくる。雨のなかを車まで走る。 車(RV4)に乗り、発進。大野陽子の車を追うように、森光太郎の車が発進。森光太郎の顔は写さず、シルエットのみ。 |
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大野陽子が一人で運転している車内。カーラジオから |
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−アメリカの○○銀行で、銀行のセキュリティーが破られる事件がおき、○○ドルが支 払われて…。−
カーラジオをいじろうとする。 |
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そこへ松井潤一郎が、飛び出してくる。大野陽子は急ブレーキをかけるが、避けきれずにぶつけてしまう。あわてて、車から飛び出して。 |
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大野陽子 |
だいじょうぶですか? |
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松井潤一郎は、元気に起きあがり、 |
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松井潤一郎 |
だいじょうぶです。 |
大野陽子 |
病院にいかなくちゃ。救急車を呼びますから。 |
松井潤一郎 |
大丈夫ですよ、このくらいなんでもありませんから。 |
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その時、松井潤一郎は大野陽子のポケットに何かを入れるが、大野陽子は動転していて 気づかない。もう1台後ろから、森光太郎の運転する車がつけてきているが、大野陽子は気づかない。 |
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大野陽子 |
本当に大丈夫? |
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雨のなか、大野陽子は、松井潤一郎が立ち去るのを見送る。 |
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大野陽子のアパートの駐車場。大野陽子は、大きなスポーツバックを背にして、車から降りる。 |
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S:19 |
大野陽子のアパートの室内。
フロアースタンドのみで、天井照明はなし。アクアリウム。広いワンルーム。フローリングの床に置かれたマットレスのみのベット。大野陽子は、コートをぬぎ、洗濯屋に出す篭に入れる。 |
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S:20 |
同じ室内。大野陽子は、Tシャツにパンティーのみ。
テレビニュースで、轢き逃げがあったと報じている。一瞬、驚くが、別件とわかり、安心する。キースジャレットのCDをかけ、軽い食事を取る。 |
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S:21 |
翌朝、晴れ。大野陽子は出勤途中、クリーニング屋に洗濯物をだす。昨日着 ていたコートが見える。 |
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洗濯屋 |
おはよう。いつも元気だね。今日はまた一段と元気だ。 |
大野陽子 |
帰りに寄るから、よろしく。 |
洗濯屋 |
わかったよ。8時までだからね。 |
大野陽子 |
8時? 早いわね。今は24時間サービスの時代よ。 |
洗濯屋 |
判っているんだがね、なかなか人手がなくて。大手のようにはできないよ。 |
大野陽子 |
支払はその時でいい? |
洗濯屋 |
ああ、いいよ。毎度、ありがとうござい。いってらっしゃい。 |
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S:22 |
大野陽子は、地元のおじさんやゴミ清掃車の人たちと気軽に挨拶をする。 |
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S:23 |
(駅全体をカメラに入れて)大野陽子は、駅の階段を鼻歌で駆け上がる。大野陽子は、キオスクのおばさんと、親しげに言葉を交わし新聞を買う。 |