ジャンピー     原作・脚本  匠 雅音
01 02 03 04 05 06 07 08 09
10 11 12 13 14 15 16 17


14

S:93 大野陽子のアパートへ、大野陽子と林哲也が帰宅する。アパートの前には、小松原章と、西川良太がいる。
林 哲也  あいつらがいる。
大野陽子  どうしよう。
林 哲也  アパートには帰れないな。僕のアパートなら大丈夫だ。今夜は、僕のところに泊まったら。
大野陽子、黙ってうなずく。
S:94  林哲也のアパートの室内。整頓されている。
大野陽子  へえ、きれいね。
林 哲也  今の男は、清潔です。さっ、入って。
林哲也、コーヒーをいれる。フレンチローストのフランス式コーヒー。
大野陽子、室内をうろついて眺め回す。
マックがある。マックのスイッチを入れる。競輪のデーターが現れる。
大野陽子  これなに?
林 哲也  競輪のデーターさ。
大野陽子  これでお金が必要だったの?
林 哲也  最初は、負けてばかりいたけれど。やっと、データーが使えるようになった。最近は勝つことが多くなったよ、だから、この前の金も返せたんだ。
大野陽子  競馬じゃなくて、競輪なのね。馬のほうがきれいなのに、どうして?
林 哲也  馬が走るより、人間が走るほうが、確率が高いんですよ。
大野陽子  コンピューターのこんな使い方もあるのね。私もコンピューターをやろうかな。

S:95 大野陽子のアパートの前。
西川良太  あにき、遅いですね。
小松原章  うーむ、もう少し待ってみよう。
森光太郎のシルエット、
森光太郎  派手にやってくれるな。
西川良太  誰だ貴様は!
森光太郎  邪魔して欲しくないんだ。
小松原章  なんだ。貴様は。
森光太郎  俺の獲物に手をだすと、痛い目にあうぜ。
小松原章  やくざを脅すとはいい度胸だな。
小松原章が、悪人顔。 しばらくにらみ合い。 西川良太が、ドスで切りかかる。
西川良太  やろう。
森光太郎は、西川良太を投げ飛ばす。西川良太は気絶する。
森光太郎  (小松原章に対して)もう一度、警告しておく。俺の、邪魔をするな。
小松原章  …。
S:96 林哲也の室内、テーブルにて、

大野陽子  おいしいコーヒー。
林 哲也  おなかすいた?夕飯、まだだったよね。今、作るからね。
大野陽子  !
林哲也、冷蔵庫から取り出し、電子レンジであっためるだけ。
しかし、おいしそうな食事。食事をしながら。
林 哲也  だいたい判ってきたぞ。接触した男は、暴力団の一味で、CDを 持って、組から逃げ出してきたんだ。
大野さんとぶつかったとき、CDを入れたコインロッカーの鍵を、大野さんのコートのポケットにいれた。
その後で、誰かに殺された。逃げた男を追った暴力団も、轢き逃げだと思いこんで、大野さんを捜した。
しかし、まてよ。なぜ、大野さんがCDをもっていると、奴らは判ったんだ?
大野陽子  私とぶつかった後、暴力団があの男を捕まえたのよ。そして、CDを取り返そうとしたんだけれど、あの男は持ってなかった。
林 哲也  そうかその時、大野さんに渡したことを喋ったんだ。それで判った。でも、電話の男はいったい誰なんだ?
大野陽子  電話の男は、暴力団とは関係ない気がするわ。
だって職場の内戦番号まで知っているのよ。暴力団がそこまで知っていれば、はじめから職場に来ると思わない。
林 哲也  たしかに。すると、電話の男は誰だ?まだ判らないところがあるな。
S:97  大野陽子、風呂から出てきて、林 哲也のパジャマを着ている。
大野陽子がかわいい。
電気が消され、二人で布団にはいる。
大野陽子が上になる場面を入れて、今度は、しっかり結ばれる。
逆光気味に、大野陽子のお尻付近の汗のアップ。
S:98  小松原章が電話で話している、
電話(捜査1課長)  明日、ガサ入れだ。
小松原章  容疑は?
電話(捜査1課長)  外為法違反。
小松原章  わかった。
電話をきった小松原章は、西川良太に
小松原章  明日、外為法違反容疑で、ガサ入れだ。バックアップを取って、ハードディスクからは消しておけ。
西川良太  わかりました。バックアップはどうしますか?
小松原章  駅前のコインロッカーだ。鍵は、神田の兄貴のところへ届けておけ。
S:99  西川良太は、紙包みをコインロッカーに入れる。

次へ