団塊男、ベトナムを行く    ハノイの北は  
1999.6.記
1.ハノイ到着 2.ハノイの旧市街 3.ハノイの街並み 4.ハノイ郊外
5.サパへ .サパの蝶々夫人 7.ラオチャイとカットカット .ソンラーへ
9.ランクルの旅へ 10.ディエン・ビエン・フーへ 11.マイチャウから 12.チュア・タイ寺院
13.観光地ビック・ドン 14.ホテル:メトロ・ポール 15.さようなら

   

15.さようなら

 翌朝、夕べの分までしっかりと朝御飯を食べる。
ホテルの料金には、朝食代が含まれている。
ロビーの奥にある食堂ではバイキング形式で、朝御飯が食べられる。
アジアのホテルの例に漏れず、現地食と中華料理、それに西洋料理の三本建て。
果物各種、果物の生ジュースが5種類くらい、ジャムが八種類くらい、各種のパン、焼売、フォー、何をとってもいい。
目の前で焼かれたオムレツを頼む。
テーブルにつくと、アオザイの女性がコーヒーを持ってきてくれる。
どれもおいしい。

 残念ながら、ここでもサービスはあまり良くなかった。
サービスという無形のものを、体得するのは非常に難しい。
偉いさんが来たときには、それこそ密着サービスをするだろうから、クレームが出ることはないだろう。
しかし、お金をだした人には公平にサービスする近代のホテルは、社会主義や権威主義からはほど遠い精神なのだ。
近代のホテルを支えるホスピタルティとは、無形のものであるがゆえにそれが何だか判らない。
実はこの無形の精神こそ、近代が生んだ最大のものだったのである。

 ベトナム航空の事務所まで歩く。
来たときに乗ったシャトルバスである。
事務所で3ドルの切符を買う。
30分ごとに出ているこのバスは、空港に勤務するベトナム職員の朝の足でもあるらしい。
僕の他には客はおらず、満員の車内はすべてベトナム人であった。
彼等は空港が近くなると、それぞれの建物の前で降りていった。

 空港建物が新しくなるらしい。
隣の敷地に工事中である。
しかし、工事はすでに長年にわたっているらしく、露出した鉄骨が赤くさびている。
それを見ながら僕は、古い空港建物に入った。

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