朝食前に散歩に出る。宿の前の道を上り、細い路地へと入る。木製の長い階段を上り、車道にでる。朝日が斜めに当たり、街の空気がキリリとしている。街角には若いお巡りが立っている。目が合うと、目で挨拶を返してくる。しかし、目は笑っていない。
左手の建物は首相官邸なので警備しているのだろうが、装甲車を並べた我が国の厳重な警備とは大違いである。たった1人の警官が、手持ちぶさたに街角に
立っているだけ。しかも、首相官邸と言えども塀があるわけでもなく、普通の建物と同じように道路に接して壁が立ち、その壁には窓が切ってある。 |
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ここは石畳ではなく、アスファルト舗装されており、水道工事の最中だった。なおも下ると市場に出るのだが、途中で細い路地を右へと入る。鈍い階段を上っていると、登校する子供たちだろうか、10代の女の子たちが賑やかに追い抜いていく。制服がないためか、色白で華やかな感じである。
旧市街と新市街を結ぶケーブルカーの駅前にでる。時間もたっ たので宿へと戻ることにする。細道を下る。緑がしげり、木製の階段が下へと伸びている。その先には道路が白く光っている。時々車の走るの
が見える。その時の写真である。 |