フランシスコ会修道院から湾の左岸を戻ってくる。湾内には豪華なボートが浮かんでおり、田舎町の懐の深さを思い知る。ベネディクト会修道院は休みであ る。山の上には城塞が見えるが、そこへ至る道はいかにも急峻で初老人向きではない。よって登るのは直ちに取りやめとし、下から見るだけにした。
スターリ・グラードの街も路地だらけである。細い路地の先には、きれいな花が咲いている。おそらく中庭も美しいに違いないない。 |
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スターリ・グラードへ戻るバスは、帰りのフェリーに接続しているらしく、まだ3時間も先だ。せっかちな初老人は、ここで待つことができない。タクシーを使って、スターリ・グラードの街に行くことにした。
スターリ・グラードの街に着いたが、まるで閑散としており田舎の漁村といった風情である。大聖堂、聖ロコ教会とまわると、もう見るものはない。喫茶店に入って時間をつぶす。喫茶店の店先に、海水が寄せてくるのをみながら、のろい日差しをみあげているだけだ。 |