老人、フィリピンに棚田を見にいく

マニラ→バギオ→バナウェイ→サガダ   2017.8−記

目    次
1. マニラ:マカティ−1、−2 ニノイ・アキノ空港へ 巨大建築のマカティ
2. バギオへのバス 7時間のバス旅行
3. バギオにて−1、−2 ランドリーサービスに行く バギオ市内
4. バナウェーへ ハイエースで7時間
5. バナウェーにて−1、−2 棚田、棚田、また棚田 乗合いジープニー
6. サガダへジープニーで ハイエースはキャンセル  
7. サガダからバギオへ 肝を冷やす洞窟探検  
8. バギオへ戻る デラックス・バスで  
9. マニラの休日 親切な人たち  
10. 再びマニラにて−1、−2 マニラ近郊へ マニラ最終日の体験
       
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再びマニラにて−2  
マニラ最終日の体験
 

 マニラは超高層ビルが建ち並び、スマホをもった若者が闊歩している。中産階級が確実に育っているのは確かだ。しかし、まだまだ貧しい。道路沿いに歩くと、マニラの負の面が見えてきた。

 トンド地区がスラムで有名だが、ビトクルス駅からエドゥサ駅の辺りの道端にも、貧しい人が住んでいる。道路沿いのたった奥行き2メートルほどの、トタン囲いの住まいに何人住んでいるのだろうか。歩道の上で寝ている人たちもいる。麻薬をやっているのだろうか。昼日中、女性がお腹を出して、歩道に横になって寝ている。

 

 少し歩くと、男がベルトで子供をはたいている。酔っ払っているのだろう。子供は泣いて懇願しながら、ベルトのムチを逃れようと、悲鳴を上げて地面を転げ回っている。女たちも困った顔をして、見つめているだけ。止めろと言おうと男に近づくと、男は子供から離れた。

 こうしたときには老人の外見がものを言う。しかし、またベルトを振り上げようとする。近所にいた駐車場のガードマンに、警察を呼べと伝える。おそらく 日常茶飯事に違いない。はたして警察が来ただろうか。嫌なシーンを見てしまったが、これも現実なのだろう。

 

 タフト・アベニュー駅が見えたので、もう道を失って迷う心配はない。MRT と反対の細い路地に入ってみる。幅2メートルはあろうか、トライシクルなら通れそうだ。

 路上にチョークで印を付けながら、子供達が遊んでいる。どこでも見る風景。そこから1メートル幅の路地が直角に入っているが、さすがにこの路地には1人では踏み込めない。洗濯物の数から判断すると、この奥にも大勢の人が住んでいそうだ。ここは通過するだけ。広い道路に行き当たる。左に曲がって路地を探し、タフト・アベニュー駅へと戻る。

 

整列乗車

 若者たちは整列乗車をしている

モールの中では

  ショッピング・モールの中ではこんなイベントも

 バクララン駅へ行くのは止めて、タフト・アベニュー駅で MRT にのる。アヤラ駅で降りるつもりが、乗り過ごしてしまう。アヤラ駅は2つ目なのだが、見覚えがある駅だなと思っているうちに、ドアが閉まったしまった。MRT のホームには駅名こそ書いてあるが、次の駅の名前など書いてないし、車内放送もあるが 聞き取りにくい。幸いなことに次の駅は島形ホームだったので、反対側の電車で戻った。壁には No Return と書いてあり、ちょっとヒヤヒヤした。

 

 アヤラ駅で降りる。駅とSMモールの間を通ると、多くの人が薄暗い通路でたばこを吸っている。何だか禁断の楽しみにふけっているようで、足を踏み入れるのがためらわれる。しかし、出口も上から出口も見えたし、大丈夫だろうと進んでいく。マニラも禁煙が多く、喫煙者は肩身が狭いようだ。

 

 夕食の店を探しながら、ホテルにもどる。グリーンベルトの食堂街にいく。なかなか良い雰囲気。今回の旅行で最大の驚きの体験がここから始まった。中庭に面した2階バルコニーに座る。すると30歳前後とおぼしき2人の女性が、隣のテーブルに座った。

 女性がここは禁煙かと聞いてくる。妙な質問だな〜と思いながら、知らないと返事をする。返事を聞くや否や、そちらのテーブルに行っても良いかという。良いよというが早いか、ボクの隣の席につく。

 

 ボクがビールを頼むと、彼女たちはスムーズを頼む。サンキュウと言うではないか! エッと思っていると、どこに泊まっているか、1人か、今夜は予定があるかと聞いてくる。スムーズだけはおごろう。しかし、それ以上はダメだよ。今度はこちらが質問する。仕事は何? 今日は何しに来たの? 住まいはどこ? などなど。日本料理が好きだとか、日本語を勉強しているとか聞かされる。

 

 コールセンターに勤めているという。今後の予定はと聞くと、上で映画を見るという。 何という映画? 何時から始まるの? 7時からと言うが、返事が怪しい。映画の題名が出てこない。今夜の予定を聞かれたが、約束があると答える。日本人かとか、フィリピン人かとか、聞かれる。日本人と答える。ぼちぼち7時になるので、お引き取り願う。やっと夕食にありつける。

 

 ボーイが笑いながら近づいて来る。なぜ黙っていたの?と咎めると、友達だと思っていたと言う。そうか、今ここで会ったんだけどな。含み笑いの顔。やれやれ。

 豚の煮物とご飯を頼む。彼はブタだねという。豚という日本語に驚くと、日本人向けのガイドになりたく、日本語を勉強しているという。日本語は難しいぞ、中国語並みかも知れないという。女性たちとは違って、彼が日本人向けのガイドになろうとしているのは本当らしい。楽しく会話した。

 

 20ペソだけ、彼宛にチップをあげる。チップという習慣がないらしく、戸惑いながらも 受け取ってくれる。チップのせいでもないだろうが、忘れた帽子を手渡しに追いかけて来てくれた。すでにエスカレーターに乗っていたので、彼もエスカレーターに乗る。彼は1階に着くと、また登りのエスカレーターに乗っていった。

 

 その後スタバによって、スタバの wifi で slack のチェック。それに明日の飛行機 のチェックインを済ませて、ホテルに戻る。コレヒドールに行けなくて残念だったが、それ以上に面白い体験ができた。

 

旅の後記


 都市部の wifi 事情は良いが、必ずしも早くはない。そのため、重いサイトは時間がかかる。 プリペイドのSIMは便利だが、やや遅い感じがする。地元の人たちはストレスなく見ているようだから、 これはボクの使っている機種の問題かも知れない。

 

 ボクのPCは古いせいか、wifi 対応が全くダメだった。パスワードを聞いてくるのに、いきなり繋ごうとしてエラーになっていた。出先での機種トラブルは、何と対応して良いか判らず困ってしまう。

 

 旅行に持ち出すスマホは、頑丈なやつが良い。カバーを開けやすく、電池が長持ちするのが良く、高性能ではなくても充分だ。日本にいると、カバーを開けることは滅多にない。しかし、こちらではカバーをあけて、SIM を交換している人をしばしば見かける。

 

 今回の旅行の感想は、フィリピンの若さ! これに尽きる。平均年齢が23歳だという。それ対して我が国の平均年齢は46歳だと言うから、若者が多いはずだ。とにかく若いフィリピンだったが、自分の体力の衰えを感じると同時に、ゆっくりと歩けばアジアの田舎旅行も充分に楽しめた。ということで、今回の旅行も無事に終わった。

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